私はハードディスクレコーダーにNECのAX300という機種を使っています。最近ハードディスクから異音がし出したため、このハードディスクを交換することにしました。この機種は、ハードディスクのデータを吸い出して新しいハードディスクに入れれば交換できるのです。ハードディスクはいずれ壊れるため、それがAX300を選んだ理由のひとつでもあります。
さて、交換用のハードディスクをどれにするかですが、2ちゃんねるなどで事例があがっていたWestern Digitalの「WD3200JB」というモデルにしました。AX300にはMaxtorのハードディスクが使われているのですが、MaxtorはSeagateに買収されてしまいましたし、Western DigitalはOEMでの採用例も多いようですので、選定に迷いはありませんでした。容量を増やすというのも考えましたが、消費電力が増えるとチューナーにノイズが入ることもあるようなので止めました。大容量にしたところで、また壊れるでしょうしね。WD3200JBはすでに1万円を切っています。NECに修理に出すと5万円くらいかかるそうです。
ハードディスクが届いたので、さっそく修理開始です。まず録画してあるデータをAX連携ツールを使ってすべてパソコンに吸い出します。その際、いらないデータを整理しました。続いてAX300の電源をいったんオフにし、再起動するときにAX300の表示パネルに「BOOT」と表示されたらリモコンの「選局」ボタンを十数回連打します。するとAX300の表示パネルに「RECOV」と表示され、システムとデータ領域の初期化画面が表示されます。そしてデータ領域をすべて初期化。こうすれば、イメージバックアップするシステムが最小限になります。システム領域も念のため初期化しました。
初期化が終わったらいよいよAX300を開けます。まずAX300の電源をオフにします。その際、ACのケーブルは抜かないようにします。実はAX300は内蔵のボタン電池が切れるとCMOSのデータがクリアされ、二度と起動しないことがあるそうなのです。ケースを開けるのは普通のパソコンとほぼ同じ。まずは内蔵のボタン電池を交換しました。ボタン電池はCR2032。この電池は買い置きしてあったのでそれを入れました。電池を外すのはとても簡単です。電池を留めている金属の部分を押すだけ。そしてすばやく新しい電池を入れます。ACケーブルがつながったままなので、マザーボードの上に電池を落としたりしないように注意しましょう。外した電池の電圧を測ってみるとちょうど3Vでした。このボタン電池は定格が3Vなのでまだ使えそうですが、新しい電池は3V以上ありますのでこれでACのケーブルを抜いたままにしても安心です。
AX300のハードディスクも簡単に取り出せます。ハードディスクのケーブルとマウンターのネジを1つ外して、ずらすだけです。その際、AX300内部の掃除もしました。こうした内部のほこりはエアーで吹き飛ばすのが定石なのですが、屋内で作業したこともあって掃除機でほこりを吸い取りました。しかしこれがまずかった。CPUファンのほこりを勢いよく吸い取ったところ、ファンが回らなくなってしまったのです。仕方がないので、近所のパーツショップまで4cmファンを買いに行きました。930円ナリ。ううむ。ちゃんと換装できるか不安になってきました。
続いて、取り外したハードディスクをパソコンにつなぎます。接続に使用したのはGroovyというメーカーの「UD-500SA」です。シリアルATAやIDEのハードディスクをUSB2.0で接続できるもので、以前いずれ使うだろうと思って3,000円前後で購入してあったものです。
ハードディスクをバックアップする方法としては、KNOPPIXなどのLive CDを用いた方法がよく出ていますが、自分はLinuxに慣れていないこともあって、今回はWindowsXP上だけで処理してみました。2ちゃんねるなどでは、Drive Imageを使用した事例が出ていましたがこのソフトはちょっと古いので、まずは手持ちのAcronis True Image 9.0で試してみました。しかし結論から言うとこれが大失敗。AX300のハードディスクには4つのパーティションがあり、先頭の3つのパーティションだけをバックアップすればいいのですが、新しいハードディスクをUD-500SAでつないでバックアップしたイメージを書き戻す際、ファイルシステム(Ext2)やプライマリか拡張パーティションか、アクティブかどうか、書き戻す位置はどこかなどを指定する必要があります。3つのパーティションのファイルシステムはすべてExt2でプライマリパーティション、アクティブなのは第3パーティションなのでそれを指定しましたが、AX300に戻してもうまく起動できませんでした(第4パーティションの領域確保も当然行っています)。いまから考えれば、書き戻す位置の指定のところをデフォルトのまま適当にやったからかも知れません。しかし、同じように書き戻してくれればいいだけなのにちょっと面倒なソフトです。空の第4パーティションまで含めてハードディスクを丸ごとバックアップしようかとも思ったのですが、バックアップにかかる時間が数十時間と表示されたので止めました。そもそも第4パーティションはAX300側でフォーマットしますので、バックアップする必要がないですし。
Acronis True Image 9.0を使うのをあきらめ、Drive Image 2002で再チャレンジです。同じように第3パーティションまでをイメージバックアップし、新しいハードディスクにそのイメージバックアップを書き戻し。True Imageとは違って、ファイルシステムやらパーティションの状態などは指定する必要がなく、素直に書き戻せました。ううむ。最初からDrive Imageを使っておけばよかった。
ちなみに第4パーティションはWindowsXPの管理ツールで領域確保のみを行います。NTFSでのフォーマットはしません。
そして、処理が終わったハードディスクをAX300につなぎ、表示パネルに「BOOT」と表示されたらすかさずリモコンの「選局」ボタンを十数回連打。データ領域の初期化を行います。そして再び再起動。見事に換装が成功しました。念のため、AX300のシステムアップデートを実行して、そのイメージファイルもバックアップしておきました。どうせもうシステムアップデートはないでしょうし、ハードディスクを換装するたびにアップデートするのは面倒ですからね。
換装が成功したので、アナログ停波まではAX300のまま使い続けられそうです。
最近のコメント